「男らしさ・女らしさ」コンプレックス

私は小さいころ泣き虫で怖がりであったことから、「男のくせに」と言われ続けてきました。

そして、いつしか自分自身のことを「男として失格」と思い込むようになり、「男らしさ」への強いコンプレックスを持つようになりました。

 

内気な男性の方は、私と同じように「男らしさ」へのコンプレックスを持っていることが多いと思います。

内気な方は敏感であることから、恐れ・不安を感じやすく、どうしても「恐れ・不安を感じやすい⇒臆病⇒男らしくない」とみられてしまいがちです。

 

ただ、この「男らしさ」という言葉の定義は曖昧です。

男性社会では、神経が図太く、荒っぽい感じが「男らしい」とされがちです。

しかし、多くの女性が求める「男らしさ」は、神経の図太さや、荒っぽさではありません。

同じ「男らしさ」という言葉であっても、男性がイメージするものと、女性がイメージするものは異なります。

 

多くの女性がイメージする「男らしさ」とは、「心の広さ・包容力・芯の強さ」といった精神的・本質的なものであり、また「考えの深さ・問題解決能力の高さ」のような知的なものです。

たしかに、暴力と恐怖が蔓延っていた昔の時代であれば、「荒々しさ・力の強さ・圧の強さ…」といった要素が求められていたのかも分かりません。

しかし、時代の流れとともに、そういったものを求める女性は、段々と少数派になっています。

 

ちなみに、恐れ・不安を「感じない」ことが、すなわち「男らしい」というわけではありません。

むしろ、女性を危険から守るためには、恐れ・不安を感じとる能力が必要です。

なぜなら、恐れ・不安を感じとることにより、危険を事前に察知し、回避できるからです。

したがって、恐れ・不安を感じつつも、それをコントロールできる男性こそが、「女性を最も守れる男性」といえます。

 

このように、内気な男性も「女性が求める男らしさ」を潜在的に持っています。

ただ、自分自身に対し「男らしくない」という思い込みを持っていると、それが強力な暗示になり、実際にそのとおりになってしまいます。

 

これらのことは、女性にもいえます。

自分は「女性らしくない⇒女性としての魅力がない」という思い込みを持っていると、本当に魅力をなくしてしまいます。

男性が女性に求めるものは、人によって様々であり「ステレオタイプの女性像」に無理やり近づこうとする必要はありません。

モデルのようにきらびやかな女性が好きな男性もいれば、家庭的で素朴な女性が好きな男性もいます。

また、しとやかな女性が好きな男性もいれば、活発で豪快な感じの女性が好きな男性もいます。

 

ともかく「男らしさ・女らしさ」という画一的な価値観に惑わされず、それぞれの「持ち味」で勝負することが重要です。